「Live Report#1 Kurt Rosenwinkel at Blue Note Tokyo」
先日、来日したKurt RosenwinkelのCaipi Bandを観てきた。
初Blue Noteだったので、その辺も含めて書いてみたい。
まずは当日のダイジェストから。
Kurt Rosenwinkel
カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel, 1970年10月28日 – )はアメリカ合衆国のジャズギタリスト。
1970年10月28日にペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれる。
その後、バークリー音楽大学に入学し約2年半在籍するがゲイリー・バートンのツアーのサポートメンバーとして誘われ、
そのまま活動拠点をニューヨークへ移しプロとしてのキャリアをスタートさせる。
現在はドイツのベルリンに在住している。
以上、Wikipediaより
ジャズ界の新たな皇帝という呼ばれ方をされているのも見た気がする。
今回は2017年2月10日に発売された、
10年振りの新作「Caipi」を引っ提げたCaipi Bandでの来日だった。
■ギターからの出会い
出会いは、日本の渋谷に店を出している、
ウォーキンのオリジナルブランドWestville Guitarsから。
ウォーキンでは、比較的安価なArchtop Guitarsや、
Sadowsky、D’Angelico、Gibson、Epiphoneなど、
色々な箱ものギターを置いてあるが、
そんな中、見た目から興味を持ったのが、WestvilleのVanguardというギター。
ギターの詳細は公式HPを参照頂くとして、
このギターは、Kurt Rosenwinkelのシグネイチャーモデルとして開発されている、
という話をウォーキンのスタッフの方からお聞きしたので、
じゃあ、どんな音が出るのかYouTubeで観てみようじゃないかというのが、ファーストコントクトになる。
結論からすると、さっぱり分からんということになるのだが。
ディレイやその他エフェクターを使用しているものと思われるが、
何よりアタック音がほぼ無いのが衝撃的だった。
Jazz界隈ではそんなに珍しい音色でもなさそうというのは後に知ることになる。
■Caipi Band
さて、来日に際しては、Caipi Bandという
アルバム演奏のためのバンドを組んで公演となっていた。
メンバーは、以下の6人体制となっている。
Kurt Rosenwinkel (g,vo) カート・ローゼンウィンケル(ギター、ヴォイス)
Pedro Martins (g,key,vo) ペドロ・マルティンズ(ギター、キーボード、ヴォイス)
Olivia Trummer (p,key,vo) オリヴィア・トルンマー(ピアノ、キーボード、ヴォイス)
Frederico Heliodoro (b,vo) フレデリコ・エリオドロ(ベース、ヴォイス)
Antonio Loureiro (per,vo) アントニオ・ロウレイロ(パーカッション、ヴォイス)
Bill Campbell (ds) ビル・キャンベル(ドラムス)
アントニオ・ロウレイロを含む、ブラジル・ミナス新世代を中心に
選りすぐりのメンバーと繰り広げる「ポスト・ジャズ・ブラジレイロ」の一夜。
ここには音楽の未来がある。
中々な煽り文句でしたが、内容はいかに、ということで、観てきた感想を。
■生き物のよう
時間ギリギリに入ったこともあり、初Blue Noteの感慨を味わう暇もなく、
案外隣同士の距離が無いのだなという印象を持ったくらいで、座って数分で開演。
動画では各楽器の音がスッキリして聞こえるが、
現場だと、ファルセット+女性コーラス+地声の多重コーラスと
楽器の音(特にギターはディレイのせいか)が心地良く混ざり合い、
どこかへトリップするようだった。
コーラスが最大5人いるのは凄い迫力。
静かな曲入りから、テーマでメロディーを重ねていき、
アドリブに入る辺りから全体でスイッチを入れていき、大きなうねりを作って、
最後に落ち着いて終わるというパターンがほとんどだったが、
その静から動、動から静へのうねりを作っていく様が
日本のフェスでバンドを見ている時には無いところで、
Caipi Bandは全員で一個体のようで、生き物のようだった。
正に自分の理想と一致していた。
「バンド」を見たなぁという感じがとても味わえたと思う。
ロックバンドやポップスのバンドでも、こうあって欲しいと思った。
Kurt Rosenwinkelはアドリブで弾きまくっていて
思わず笑ってしまうくらいに凄かったのだけど、
Pedro Martinsもフロントマンとしては、
Kurt以上に存在感があったのではないかと思う。
メインで歌っているのもあるけれど、雰囲気があって、思わず目を引かれる。
Violin bassを生で聴いたのは初めてだったけれど、
かなり良い音で、全然メインで使えるじゃないか、
なんでもっと色んなバンドが使わないのだろうかと思った。
他にもリズム隊の強弱の幅広さや上もの音の広げ方など、
楽しめる要素はいくらでもあった。
1Setだけではちょっと勿体無かったので、もう1度観たいと強く思う。
また次回作で来日して欲しい。
■その他
掛かったお金としては、チケット代は、\7500で、
アリーナシートで観たので、プラス\1000ちょっと、
あとは1Drink(ジャックダニエル)で、約\1000。
食事も一緒にということであれば、合計で\12000前後というところ。
演奏時間は、アンコール込みで、1時間15分ほどだったと思う。
少し短いかなと思うけれど、内容が濃かったので、
長く演奏しても、聞いている側が疲れそうということを考えれば、妥当か。
料金は高めなので、気軽にはいけないかもしれないが、
観たいアーティストが来た時には、近くで観られる上に、
音も良かったので、行く価値はあると思う。
Cotton Clubはゆったり落ち着いた印象で、
Blue Noteは多少猥雑さもありながらお洒落な空間を楽しめるという印象。
あと、どうでもいいけれど、もの凄い好みの女性とすれちがったので、
特に何も起こりはしないが、別の意味で良い気分が味わえました。
それでは、今回はこの辺りで。
また、次回お会いできることを願って。